双眼鏡を使って欲しいっ!!
- SACLA 天文サークル
- 2020年4月20日
- 読了時間: 4分
さて、今回は双眼鏡についてお話ししたいと思います。
双眼鏡とは、まあこんなやつ

なのですが、双眼鏡てそもそもバードウォッチングとかイベントとか軍隊で遠くを見るために使うというイメージなのではないでしょうか。
しかし双眼鏡は天体観測で大活躍できるアイテムなんです!
言われてみれば、天体観測で星とかを見るのにも使えそうですよね?
ただ、僕のように天体観測で双眼鏡が使えると知らなかった人間には「わざわざ星を見やすくするために双眼鏡買うのはちょっとなあ」とか思ったりするわけです…。
ですが、それは天体観測で双眼鏡を使ったことのない人の意見です!
双眼鏡はただ遠くのものを見やすくするために使うのではありません。
肉眼では見えなかった星・星雲などを見るために使うんです!
つまり、暗い天体を見るために使います!
どういうことかというと…使ってみれば分かります(笑)
というのは冗談で3つに分けて解説しましょう。
1.まず双眼鏡を使うと「実はこんなに星ってあったのか」と驚くと思います。
光害のあるような明るい場所から肉眼で見える星はだいたい3等級くらいまでだと思いますが、双眼鏡を使えば6等級くらいまでは見えると思います。
つまり+3等級くらいの星まで見えるということですね。
天の川付近などの星が密集しているところを観察すると面白いかもしれません。
2.次に、双眼鏡を使えば見る箇所が拡大されますね。じっくりと天体を眺めることができます。月だって肉眼ではあまり気にしていなかった模様なんかも双眼鏡を使えばはっきりとわかりますし、惑星・恒星の輝きや色の違いなどもじっくりと楽しむことができます。
3.最後は1,2の相乗効果です。つまり、暗い星まで見えるようになり、かつ拡大できるということは、メシエ天体と呼ばれる一部の星雲や星団を観察することができるようになります。例えばみなさんは「オリオン大星雲」や「プレアデス星団」といった天体をご存知でしょうか。
オリオン大星雲、プレアデス星団はどちらも地上から肉眼で見ると、オリオン座とおうし座のところにただぼやっと白っぽいのがあるなあ程度にしかわかりません…
(写真、カーソル部分)


双眼鏡や望遠鏡を使ったことのない人にはこの程度までしか見えないので存在すら知らない人が多いのですが、双眼鏡を使うと…


この通り、今まで見えていなかった星雲や星団の姿を見ることができます!!
実際に自分の目で美しい星団や星雲の姿を見ることができるのですから、本当に世界が広がると思います。
もちろんもっと詳しく細部を観察するためには望遠鏡を使う必要がありますが、望遠鏡は高価です。おもちゃではない、普通の望遠鏡を一式買おうと思ったら最低でも数万円強くらいしますが双眼鏡ならば5000円くらいでも良いものが購入できます。(もちろんピンキリですが。)
また、望遠鏡よりも双眼鏡での観測が適している天体というのも状況によってはあります。
アンドロメダ銀河などがその例です。アンドロメダ銀河は実は満月ほどの大きさなので一般的な望遠鏡では倍率が高すぎるためうまく観察できません。そこで双眼鏡の出番です。

この通り、双眼鏡は天体観測にとってはコスパが最高で、これから天体観測を始めたいという人にはピッタリなアイテムなんです!いっきに世界が広がると思います。
望遠鏡でも買ってみようかなーという人には、ちょっと待って!双眼鏡て使ったことある???と訪ねたいくらいです。
もし双眼鏡に興味を持った方は購入するときに少し注意事項があります。できれば天体観測用の双眼鏡を買ってください!
普通の双眼鏡は遠くのものを見るために倍率が高いことを謳い文句にして販売しています。しかし、倍率が高くなると見える像は暗くなりますし、持つときの手ぶれもひどいものになります。解説してきた通り天体観測での双眼鏡は遠くを見るためというより暗い天体を見るためのものなので、レンズの口径が大きい天体観測用のものを購入するようにしてください。50mm * 7 (口径5cm,倍率7倍)というスペックがオススメです。(レンズが大きいので多少重く、小さい子には不向きかもしれません)。
さて、この通り今回は双眼鏡の解説を行いました。
ただ見てるだけでは何の変哲もないただの星空でも、興味を持って双眼鏡や望遠鏡を使うことで今まで見えてこなかったものが見えるようになります!
この世界というのは面白いもので、漫画やアニメのようにド派手な世界にはなってないものの、よくよく自分で興味を持って見てみることで途方もなく面白いことが広がっているということに気付くと思います!
ぜひ双眼鏡、使ってみてくださいね(^^)/
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