昔の人って、ほんとにいい意味でバカなんですよ。シンプルってことです。
なにを藪からスティックに…と思われたかもしれませんが(笑)
今回はそのことを痛感する「望遠鏡で遠くの天体が見える原理」について解説していきたいと思います。
原理って聞くとなんだか難しい雰囲気が漂って高尚な話のような気がしますが、事実は真逆です。至ってシンプルな話をこれからします。(ちなみに厳密にはケプラー式望遠鏡の仕組みの解説ということですが基本アイデアはあまり変わらないです。)
まずはみなさん、下の木星の画像を見てください。
この木星の中央、やや右下側のところに小っちゃい球体があるのがわかると思います(衛星)が、この衛星になんだか氷の亀裂みたいなのがあるのがわかりますか??ちょっとよく目を凝らして3秒くらい探してみてください。
…はい。すみません、みなさん、嘘つきました。氷の亀裂なんて見えないです(笑)。
ただ、みなさんこういう風に何かをよく見たいときって無意識に「拡大」しませんでしたか?顔を画面に近づけたり、ブラウザの表示を拡大してみたり…。
このように、何かを詳しく見たいときは「拡大」すればいいんです。それは夜空に瞬く星々でも同じことです。あの星をよく見たい!と思ったのならその星を拡大すればいいんです。
さて、拡大するためにみなさんが一度は使ったことのある道具と言えば?
そう、虫眼鏡です。
星をよく見たいなら虫眼鏡を使えばいいんです!!
おいおい、ちょっと待てくれ。まず星を見るのに虫眼鏡を使おうなんて発想がそもそもクレイジーだし、確かに理にかなっているのかもしれないが、虫眼鏡って近くにある物にしか使えないだろう?
そんなアメリカン風な意見が野党から飛んできそうです。
そりゃそうですよね、実際に虫眼鏡を使おうとしたら、ぐ~っと虫眼鏡を近づけてピントを合わせてそこをのぞき込んでるイメージですよね。
でも、ここが昔の大天才のほんとにいい意味でバカなところです。
なんて思ったと思います?
じゃあ、"近くに持ってくればいいんじゃない?"
これですよ。この一見アホだけどとても理に適ってる発想。これが今回みなさんにお伝えしたかったいい意味でバカな、究極にシンプルな天才達の発想です。
虫眼鏡の仕組みはよく知らなくても、虫眼鏡が光を集めるものだってことはみなさん直感的によくわかると思います。一度は下の写真みたいなことして紙焼きましたよね?w
これって見方を変えると、太陽を紙の上に持ってきたって見れませんかね??
実際、理科の実験でこんなことしたりしませんでしたかね。
物体とスクリーンの間に凸レンズを置いて、光をスクリーンに投影すると逆さまの「実像」が映るんだよ~、ほらロウソクがスクリーンに映ったでしょ~ってなやつです。
この実像と呼ばれる部分を虫眼鏡で拡大してみたら…!?
はい、望遠鏡の完成です!!
望遠鏡とは、"1枚目の凸レンズで実像を作ることで疑似的に物体を近くに持ってきて、2枚目の凸レンズでそれを拡大して見る"という仕組みになっていたんです。
別にスクリーンは無くたって大丈夫です。なんたって「実」像ですからね、実際に光がその空間に集まるんです。そこにピントを合わせて虫眼鏡で拡大しているだけ。
なんともシンプルな仕組みですよね~。
いやはや、天才の発想には恐れ入ります。原理なんていう難しそうな言葉もこういうシンプルな仕組みであることを説明しているに過ぎません。
こういうことの積み重ねである"学問"と言われるものに対する見方も少しは変わったのではないでしょうか。ちょっと勉強したくなりました?
ほんとに頭がいい人って小学生みたいな脳みそしてるんですよ。なんも難しいことなんて考えてません。誰もが聞いて納得できる、当たり前のことを堂々と発表してるだけです。
さて、今回紹介した望遠鏡はケプラー式の屈折望遠鏡の説明となりましたが、その他の望遠鏡でも仕組みはたいして変わりません。光を集めて持ってきて拡大する、それだけです。
ちなみにこのような凸レンズを2枚使った望遠鏡というのはもちろん虫眼鏡でも簡易的に作ることができます。「望遠鏡 虫眼鏡」とでも検索してみてください。夏休みの自由研究にはぴったりです。
いや~、科学って面白いですよね(^^♪
Comments