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執筆者の写真SACLA 天文サークル

天体観測日時の決め方

更新日:2020年3月28日

これから「ゼロからわかる天体観測」と称して初心者の新入生向けにゼロからでも天体観測を始められるように活動内容についての解説記事を書いていきたいと思います。新入生は大いに参考にしてください。


今回記念すべき第一回目は「天体観測日時の決め方」についてです。


「よっしゃ、いい天気だし、たまには外に出て天体観測するか!」と何も考えずにその日の天気で望遠鏡担いで始めてしまってもいいのですが(そうできたら最高ですが)、皆さん何かと予定があったりして急には始められないものです。


そこで今回は、あらかじめ日程を決めて天体観測を始めるときのコツといいますか、こういう決め方もあるんだよというのをご紹介していきたいと思います。


まずは日にちの決め方についてです。

「いい天気だなー。外に出て星空でも眺めよーっと♪」と考えて綺麗な星空を期待している人はきっと夜空に浮かぶ様々な星々を見たいのだと思うのですが、実は星空の見え方というのはなにも天気だけで決まるのではありません。

星が見えやすい季節であることや街の明るさ、風の様子や温度湿度、他の天体の様子など様々な要因によって星空の見え方は変わるのです。


その中でも最も大きい要因は「月」です。

月というのは夜空の中でも最も明るい天体です。

なので、月が満月の状態だと夜空はとても明るくなります。すると、他のあまり明るくない天体というのは月の明るさに霞んで見えなくなってしまいます。綺麗なお月様を眺めるのも乙ですが、星雲や星団、銀河などの天体を見るにはあまりよろしくないということです。(木星や金星などの惑星ならば明るいので大丈夫です。)

なので夜空全体を眺めたいときなどには細部まで見事に見えるような新月の日がお勧めです。合宿などで遠くに星を見に行くときには月齢カレンダーを見て、日程を決めましょう。


さて、日にちが決まったところで次に重要なのは時刻です。

星は夜空を動いているので、見える星というのは時刻によって変わります。詳しくはまた別の記事でご紹介しますが、何か見たい天体があるときは狙った天体がちゃんと見えるような時間帯に観望会を計画するようにしましょう。


また、街の明るさも夜空の見え方を大きく左右します。明るいところでは星があまり見えないというのはみなさん周知の事実ですが、その街の明るさを決めている要因は人間の社会習慣です。人間は時刻によって社会活動を管理しているので夜遅い時間(深夜など)になれば街はだいぶ暗くなります。浜松はだいぶ光害のある明るい街ですが、夜遅くになれば街全体が静まって光害も少しはやわらぎます。覚えていて損のない豆知識だと思います。


以上のように日にちと時刻さえ決まればあとは天気次第です。

観望会の日の天気を知りたいときには通常、以下のような


時間ごとに詳しく書かれた天気予報を使うことになると思いますが、ここに落とし穴があります。天気予報は予報をコロコロ変更します。つまり、前日に見たときは晴れだったのに当日になったら曇りの予報になってた、というような感じですね。もっと言うと当日の14時に見た予報でさえも数時間後には大きく変わるなんてこともざらにあります(天気予報って予報してないんじゃ…)。天気予報で確実なのはせいぜい2時間後くらいの天気まででしょうか。天気予報会社の人達も「なるべく当たる」予報にしなくてはいけないのでこういうことになってしまうんですね。ほぼ後出しじゃんけんです。現代の科学技術をもってしても1時間単位の正確な予報というものは不可能だということを知っておいてください。


じゃあどうすんねんって話ですが、安心してください。古代の人々はこういう事態に備えてある偉大なものを発明しました。そう、てるてる坊主です。

写真は偉大な先輩方が発明した我がサークルのマスコットキャラクター「てるてるさくらちゃん」です。かわいいです。


さて冗談はこのくらいにして真面目に話すと、なるべく晴れの日が連続してるような大気が安定してる時期を狙うしかないですね。あとは比較的天気が安定してる夜遅くを狙うことくらいでしょうか。それくらいでもうお手上げですね。

でももうお手上げだと感じた気持ちを楽しく表現したてるてる坊主って凄いと思います。遊びの達人ですね。


星空ナビ…時間ごとの星空をわかりやすくまとめてくださっている素晴らしいサイト。いつもここを利用させて頂いています。









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