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執筆者の写真SACLA 天文サークル

星って動いてるよね?(2)

さて、前回に引き続き星の動き方について解説していきたいと思います。

今回は「年周運動」についてです。


日周運動が1で1する地球の自転によっておこる運動なら年周運動は?

そう、1で1する地球の公転(太陽の周りを回る)運動によっておこる運動ということです!


なんとなく察しのついた年周運動ですが、ではどのように見える運動なのでしょうか。


みなさんは、「春の星座」とか「夏の星座」とかそういう季節の星座がどうのこうの~ということを耳にしたことはありませんか?

星ってたとえ同じ時刻に同じ方向の空を見たとしても季節によって見えるものが全然違うんですよね。

でも例えば4/8に見える星と4/9に見える星はほとんど同じなはずです。

つまり、日周運動とはまた別の運動によって毎日少しずつ星って動いているんですよね。


その仕組みはイラストを見れば一発で理解できます。

(ちょっと頑張って作ってみました)


どうでしょうか。

つまり、地球が太陽の周りを回ることによって、地球の位置に応じて見える星も変わるということですね。

これが季節によって見える星が変わる仕組みです。


では、この動きって実際どれくらいのものなのでしょうか。簡単に計算してみましょう。


みなさんご存知の通り1年は365日ですね?そしてその1年で太陽の周りを1周するわけです。ということは1日あたり

360 ÷ 365 ≒ 1°

約1°星は動いて見えるということです。

つまり1日前の20:00に見たオリオン座が今日の同じ時刻に見ると西に1°ずれて見えるということです。これが星が徐々に動いていくという正体でした!


ちなみに、地球は1日かけて360°回転するので、1°ズレるということは、

1日=24時間=24×60分なので

24×60分 ÷ 360 = 4分 より、1°のズレというのは4分のズレということを意味します。つまり1日前の20:00にある場所に見えたオリオン座が今日は19:56に見えるということです。星は毎日4分ずつ早く昇るようになると覚えるといいと思います!


さて、年周運動を理解したところで

「へえ、星にも季節があるんだ。じゃあ夏の星座は夏にしか見えないんだなあ~。儚~い」とか思ったそこのあなた。

その理解は少し間違ってます!


もう一度イラストをよく見てみましょう。

このイラストは太陽の周りを回る(公転)地球を真上から見下ろしているものですが、地球って自分でも回っていましたよね?(自転)

つまり、地球のある地点は毎時間動いてるんです。となると、確かにその地点が春の星座の真ん前にいるときは真夜中には春の星座が見えそうですが、たとえば少し時間が経ってイラストの青矢印の根本くらいの場所まで来たなら夏の星座が矢印の方向に見えそうですよね?つまり日暮れ直後や夜明け前などには冬の星座や夏の星座が春にも見えるということなんです!(イラストだと少しわかりにくいですが、宇宙は馬鹿でかいので実際の夏の星座の星や冬の星座の星というのはもっと太陽から遠くにあります。)


とどのつまり、星は見る時間帯と季節によって見えるものが大きく変わるんです!!

なので、夏は忙しくて季節の星座見れなかったなあ~なんてときも秋の早めの時間帯に再チャレンジ!ということもできるんですね。


じゃあ季節の星座って嘘じゃんと思った方もいるかもしれません。

季節の星座とはあくまで、"その季節の夜にみんなが夜空を見上げるくらいの一般的な時間帯に見える星座"ということでしかないんですね。夜明け前の遅い時間帯に暗い人気のないところに行って星を見る人なんて天体観測する人くらいしかいませんからね、普通。


さあというわけで、日周運動と年周運動という2つの運動によって星は動いてみえるということでした。いかかでしたでしょうか。


星は星、全部同じだと思っていたときよりも毎回見える星が違って変化しているんだということを知ると少しワクワクしてきませんか?

こうやって学ぶことによって区別が増えると楽しくなるんです。みんな同じ夜空を見上げているはずなんですけど、人によって楽しさが違うというのは実に奇妙なことです。

ちょっと意識を向けて見るかどうかの違いなんですけどね。


この世界の楽しいことを発見しまくってやりましょう!(^^)!





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